夢を追う絵描きの「目的」と「手段」の入れ替わりの辛さ

イラスト

今回は私の体験をもとに絵描きの目的と手段について書いて行こうと思います。

夢を追う絵描きの「目的」と「手段」の入れ替わりの辛さ

よく「目的と手段が入れ替わる」なんて話聞きますよね?それってどんな人間にも起こりうることだと思います。勿論絵描きにもです。

私の夢は「マンガ家になりたい」「イラストレーターになりたい」「絵を描いて生計を立てて行きたい」というものでした。

もしこの記事を読んでいる方で私と同じ夢を持っている人がいたら、一度考えてみてほしいです。

上記の夢は「目的」と「手段」どちらか?

私の上記の夢の場合、今見直すと、これは夢ではなく、「手段」だと思っています。

私と同じ夢を持っている人の中には 、怪訝に思った方もいるかもしれません。

上記の夢が夢ではなく「手段」であるというのがわかってしまう質問があります。     

「なんために?」

なんのために
「マンガ家になりたい」?
「イラストレーターになりたい」?
「絵を描いて生計を立てて行きたい」 ?

つまり上記の私の夢の場合だと「なんのために?」(目的)がうまく定まってないのです。

○○のために(目的)+ 「絵を描いて生計を立てて行きたい」 (手段)

手段と目的が入れ替わってしまっている例でもあります。(泣)

絵描きに絵の目的を問うと
「絵を描くのが好きだから」と答える人が多いと思いますが、それは目的として設定するにはすこし力不足で曖昧です。

「絵を描くが好きだから」というのは、自身の心から沸き立つ、情熱であり、「目的」と「手段」を設定するための「理由」の一つでしかないのです。
自分が絵を描く意味…といったところですかね?
一言で絵を描くのが好きと言っても、動物を描くのが好きな人もいれば、風景を描くのが好きなひとがいます。

つまり、「目的」として設定するには 漠然としすぎて、 情報が足りないのです。

まず必要なのは、自己を理解していくことです。
絵を描くのが好き→自分はどんな絵を描くのが好き?または描きたい?→どんな絵描きになりたい?…などなど、目的を設定する要素をできるだけ詳細にしていく必要があります。

「叶えたい夢がある」という欲求に対して、「自分の理想像」を鮮明にしていくのです。特にこれから絵描きになろうとしている若い人には、特にこの目的設定はしっかり設定しておいて欲しいですね。

絵描きとしての目的をはっきりさせておかないと、あとでつまづきます。

この夢に対しての「目的」をはっきりさせないまま、長い間進み続けたり、あるいは夢を達成しそうな位置にまできてまうと、ある日、


「あれ?自分はなにがしたかったんだろう?」

と立ち止まるときが来ます。私の場合はがそんな感じでした。

努力による技量や経験・チャンス…などなど
夢を達成するための手段は整いつつあった矢先、 深掘りした目的が設定できていないことに気が付き、行き先に迷いが生まれたのです。

なぜなら目的が明確になっていないからです。


「絵で生計を立て行きたい」など手段だけが設定されているため、無作為に仕事をやってしまうのです。 たとえそれが全く自分に向いてない絵の仕事でなくてもです。

ちなみに私の実体験なのですが――


絵が描ける仕事につき、長年仕事をしてきたある日、職場の同僚から

「君さ、なにがしたいの?」

と言われ、返答に困ったことがありました。

おそらく私が自分の絵柄からみても、全く得意でもない絵のジャンルの仕事に食いつこうとしている様を見て怪訝に思ったからでしょう。

大抵の絵描きは、自分の好きなジャンルが決まっているのでは無いかと思います。例えば「メカ絵描きを目指している人」がいるとしたら、

「絵を描くのが好き」「とくにメカを描くのが好き」(理由、内面的な動機)

「メカをずっと描いていきたい」(目的)

「メカを勉強して上手く描けるようになろう」「そのためにメカを描いて生計を立てれる仕事に就こう!」(手段)

…という形でスムーズに夢を追えるわけです。
絵描きの目的設定というのは、その後の自分の絵柄や作品のジャンル選定・仕事に大きく影響されるものだと思うので、とても大事なことなのです。

ところが私は「絵を描いて生計を立てていきたい」という「手段」を「目的」としてしまっていました。

先でも説明した、本来「目的」であるものが、うまく設定されてなかったのです。

絵を描くのが好きで、絵が上手くなるよう修練を積む、生計を立てるために稼ぐ!など、手段のことばかりに目が行きすぎて、肝心な「目的」を設定できずに進んだ結果、先にも書きましたが、プロの絵描きになった途端、いわゆる、「行き先を見失う」感覚に陥ったわけです。

「目的」が明確ではないため、来る仕事は選ばず、いろんなジャンルに手を出してしまい、全てが中途半端になります。

そして、目的がしっかり定まってる絵描きとそうでないとの差は、開く一方 です。
上手い「手段」を持っていても、行き先が定まって無いのなら、宝の持ち腐れですよね?

また、実際に仕事を取るために、絵の営業かけようにも、目的ないまま進んできた絵描きには「これが得意」というはっきりものがなく、胸を貼った宣伝できません。(全体的にクオリティーが高い絵描きだと、何か仕事貰えるかもしれませんが、それでは問題解決になりません。)
これではクライアント側も、営業してきた絵描きの絵を、どう扱っていいかわからないですもんね。(笑)

目的設定を詳細・鮮明にして夢の達成を目指そう

驚かれる方もいるかも知れませんが、こういった私にように目的設定がしっかりできてないままプロの道に進んだ人間もいるんです。(笑)

ただ、悲観するつもりはありません。これから自分を見直し、目的を再設定すればよいだけ。これから決める自由と選択があり、可能性もあり、そこから夢に向かってスタートを切れるということです。がんばりましょう!

私と同じように目的をうまく設定できてなかったそこのあなた!

あなたは、自分の夢を「どんな理由」で鮮明に「目的」を設定し、どんな「手段」で達成しますか?

以上です。
今回私がこの記事を書こうと思ったのは、もし私と同じように目的を定められずに進んでいる人に、少しでも参考になればと思ったからです。

ぜひ一度立ち止まり、自分の夢に対しての目的と手段について考えてみてください。

それでは!

コメント

  1. 不死鳥 より:

    絵描きさんの業界はよく分かりませんが、最初は仕事を選んでいられないでしょう。
    ただがむしゃらにこなしていって、そのうち技術が身に付き収入も得られるようになったからこそ考える時間ができ、人に説くことができるのでしょう。

    漫画家を扱ったドラマを観たことがありますが、絵描きの方も大変な職種なんでしょうね。

    • >不死鳥様
      コメントありがとうございます。
      そうですね。マンガ家のドラマとかにもあるでしょうが、絵描きは生計を立てるには大変な業種だと思います。(苦笑)
      最初はすごくがむしゃらで、収入を得たり有名になることを考えると思います。
      ただ、絵描きを目指してる若い方などに、行き着いた先で内面的なもので迷ったり躓かないように願いたいです。